肝熱、肝気欝結(かんき・うっけつ)


肝気とは肝臓の気、欝結は滞った状態です。つまり肝臓の気の巡りが悪くなった状態です。


肝臓の気が滞るとなにが起こるのか?

⑴肝臓の気は全身に送られて活力を出す

肝臓の気が滞ると全身の気が足りなくなり元気ややる気が無くなることがあります。

また、昼間に全身に気を送り活力を出し、夜は肝臓に気を戻して体を休めます。これが逆転すると、日中がだるくて夜は目が冴えて眠れなくなることがあります。


⑵肝臓の気は心を活発にします

肝臓の気が滞ると気持ちが沈みがちになったりイライラしたりすることがあります。


⑶肝臓の気が滞ると熱が発生します

肝熱は様々な症状を引き起こします。

①血圧上昇、頭痛、耳鳴り、めまい、目の症状

②首、背中、腰の痛み(主に右側)

③じんましん、体の痛みの位置が移動する

④胃腸にガスが溜まりやすい。逆流性食道炎

⑤目の充血、鼻血、血尿、不正出血などの出血症状

⑥筋肉のコリ、つる、まぶたがピクピクする

⑦生理障害

など、その他も含めて様々です。


なぜ肝気欝結になるのか

①ストレス全般(特にイライラ)

②薬の服用

③アルコール、油物、糖分の取り過ぎ


自分で出来る対処法

①食べ物を気をつける

②大衝、中封、蠡溝と言うツボを押す

腎虚

腎臓(じんきょ)とは、東洋医学的な腎臓の機能が弱った状態。


腎臓の役割と弱った症状

⑴腎臓は体全体の活力の源

腎気(腎臓の気)は人間の体の根源的なエネルギーです。車で言えばガソリンに当たります。脾臓の気もガソリンに相当しますが、腎気の方がより根源的なエネルギーです。腎虚になって腎気が不足すると疲労感、疲れやすい他様々な症状が出ます。


⑵腎気は下半身に多く巡っている

ヘソから下は特に腎気のエリアで、腎気が不足すると腰痛、下半身の冷え(ほてりも含む)、むくみ、足に力が入りにくい、膝やかかとの痛みなどを引き起こします。また頻尿、夜間尿などの尿全般のトラブルも引き起こします。


⑶上半身の熱のトラブルに関係

腎気が不足して下半身が弱ると、体内の熱が上に昇る性質があります。

のぼせて顔が暑かったり汗をかく、動悸や不整脈、胸苦しいなど胸部の症状、首・肩・背中のコリ、目に関する症状、耳鳴り、寝汗など上半身のトラブルを引き起こします。


⑷副腎のトラブルを引き起こす

副腎はホルモンを分泌している器官で、副腎が弱ると体の各所(主に関節や靭帯)に起こる炎症を抑えられなくなるので、各関節の痛みやアトピー性皮膚炎などの皮膚症状を引き起こします。

また、朝スッキリ起きられるのは副腎から出るホルモンの作用なので、朝起きられない、午前中だるいなどの症状が出ます。


なぜ腎虚になるのか?

肉体的な疲れ、冷え、寝不足など。


自分で出来る対処法

⑴体を休める、睡眠をとる、冷やさない

⑵お灸(足のツボ:湧泉、復溜など)

⑶足湯(42℃、両スネの真ん中まで浸けて7分)

脾虚


脾虚(ひきょ)とは、東洋医学的な脾臓が虚=弱った状態。現代医学とは違い、東洋医学では脾臓の役割はたくさんあります。


脾の役割と症状

⑴気を生成する

脾虚になるとだるさ、疲れやすい、風邪を引きやすく治りにくいなど様々な症状を引き起こすことがあります。

⑵気を上半身に運ぶ

脾虚になるとめまい、ふらつき、呼吸器系や心臓に関する症状が出ることがあります。

⑶下腹部(丹田:たんでん)を元気にする

脾虚になると膀胱炎、トイレが近い、生理障害など下腹部の症状を引き起こすことがあります。

⑷消化器全般を働かせる

脾虚になると食欲低下、胃もたれ、吐き気、下痢、便秘など胃腸に関する症状を引き起こすことがあります。

⑸手足に気を送っている

脾虚になると手足のだるさ、手足の冷えなどを引き起こすことがあります

⑹体内の水分調節を行なっている

脾虚になるとむくみ、湿疹、アレルギーなど水分代謝の悪さからの症状を引き起こすことがあります。


なぜ脾虚は起こるのか?

⑴ストレス(特に落ち込み)

⑵糖分の取り過ぎ

⑶湿度、低気圧

⑷水分の取り過ぎ

⑸体質


自分で出来る対処法

・山芋は脾臓を元気にしてくれる

・ハチミツ湯

・砂糖を取り過ぎない

・お灸


気とは何か?

気は東洋医学の考え方で、心と体を元気に活動させるエネルギーです。車で言えばガゾリンのようなものです。気が足りないと心と体の活動に支障をきたします。


気はどのように作られる?

東洋医学では、気は脾臓(膵臓を含む)と腎臓と肺がメインとなって作られます。

脾臓は飲食物から気を取り出します。

肺は呼吸によって気を取り込みます。

腎臓は生まれ持った気で、脾臓と肺から生成された気に混ぜて全身に使う気を完成させます。


気に関する症状は?

気の障害は3つあります。

気虚(ききょ)

虚とは足りないという意味で、気が不足した状態です。不足すれば心と体が元気に活動できません。

症状はだるさ、無気力、重だるい痛み、その他様々です。

気滞(きたい)

滞とは渋滞の滞で、気が詰まっている、或いは滞ってる状態です。

症状は生理痛、鋭い痛い、動悸、パニック障害、その他様々です。

⑶気逆

気の流れは基本的に方向が決まっていますが、それが逆流する、或いは乱れた状態で、正しく全身に送れない状態です。

症状は冷えのぼせ、不眠、逆流性食道炎、吐き気、頭痛、高血圧、咳、その他様々です。


自分で出来る対処法は?

気虚

気の呼吸法を行う、山芋やハチミツ湯を摂取、お灸など。

気滞

左の中指を引っ張っったり、手の甲側に反らす。前腕(肘から手首まで)の真ん中あたりと手のひらの真ん中あたりの緊張部位(押すと固くて痛いところ)を指圧する。

⑶気逆

足湯。42℃の熱めのお湯に両スネの下1/3から真ん中位まで浸ける(足首までだと効果は薄い)。7分〜最大10分。ぬるま湯で長時間やると逆効果。

胃熱


胃熱とは、胃の中で発生した熱のことです。

この熱が体の中で移動して留まると、その留まったところで様々な症状を引き起こします。


なぜ胃熱は発生するのか?

①飲食

⑴食べ過ぎ。

⑵辛いもの、油物、味の濃いものは胃の壁に刺激を与えて熱が発生します。

⑶コーヒーはカリウムがダイレクトに胃の壁に付着して化学反応を起こし熱を発生させます。

⑷ビールやアイスなど冷たいものは、胃に入った時は冷えますが、数十分するとカーッと熱を出し、さらに30分ほどすると再び冷えます。

上記のものを一度にたくさん摂ったり、少量でも定期的に摂ると熱が停滞して症状を引き起こします。


どんな症状か?

症状は様々でたくさんあります。

胃の症状全般、頭痛、耳の症状全般、目の症状全般、口内炎口角炎、咳、喉の痛み、鼻炎などのアレルギー症状全般、顎関節症、湿疹、肩こり、寝違い、四十肩、肘の痛み、膝の痛み、股関節の痛み、背中の痛み、などなど。


自分で出来る対処法は?

⑴上記にある胃熱の上がる食べ物を摂り過ぎない。

大根おろし、レンコンは胃熱を掃除してくれるので適量摂る。

⑶左の肘の外側(手のひらを前に向けた時の親指側)を保冷剤などで10分前後冷やす。

⑷足の人差し指と中指を揉む、スネを指圧する。

胃熱


胃熱とは、胃の中で発生した熱のことです。

この熱が体の中で移動して留まると、その留まったところで様々な症状を引き起こします。


なぜ胃熱は発生するのか?

①飲食

⑴食べ過ぎ。

⑵辛いもの、油物、味の濃いものは胃の壁に刺激を与えて熱が発生します。

⑶コーヒーはカリウムがダイレクトに胃の壁に付着して化学反応を起こし熱を発生させます。

⑷ビールやアイスなど冷たいものは、胃に入った時は冷えますが、数十分するとカーッと熱を出し、さらに30分ほどすると再び冷えます。

上記のものを一度にたくさん摂ったり、少量でも定期的に摂ると熱が停滞して症状を引き起こします。


どんな症状か?

症状は様々でたくさんあります。

胃の症状全般、頭痛、耳の症状全般、目の症状全般、口内炎口角炎、咳、喉の痛み、鼻炎などのアレルギー症状全般、顎関節症、湿疹、肩こり、寝違い、四十肩、肘の痛み、膝の痛み、股関節の痛み、背中の痛み、などなど。


自分で出来る対処法は?

⑴上記にある胃熱の上がる食べ物を摂り過ぎない。

大根おろし、レンコンは胃熱を掃除してくれるので適量摂る。

⑶左の肘の外側(手のひらを前に向けた時の親指側)を保冷剤などで10分前後冷やす。

⑷足の人差し指と中指を揉む、スネを指圧する。

上焦の重力補正解除

患者腹臥位。術者上方手で胸郭出口を把握(大胸筋と肩井を挟む感じ)。他方手で肩甲骨を把握。

①肩甲骨を外旋から内旋方向にマニプレーション。

②肩甲骨と上方手の胸郭(大胸筋)をシンクロさせるようにマニプレーション。

③やや胸郭を引き上げながらマニプレーション。

④両側の膏肓あたりに母指を当てて、残り4指は肩甲骨付近にコンタクト。母指を中心に外側から内側、下方から上方へスラストするように軽くマニプレーション。

三角筋から小円筋周囲を下方から上方へスラストするようにマニプレーション。


重力負荷は、外傷性(FG)、内臓(圧力変化FT)の位置異常(FーG)、意識(FI)によって引き起こされる。意識とは物事へのこだわり、感情などによって引き起こされる。思考は重力と深い関係にある。


季肋部の施術

右は肝臓、左は膵臓、真ん中は胃。

患者仰臥位で左右の季肋部を把握して左右に揺らす。右に寄って動きやすい場合は肝臓熱、左に寄って動きやすい場合は膵臓

①季肋部の緊張側に一方手をコンタクトし、他方手を腰方形筋付近を把握。

②お互いのコンタクトを向き合わせる方向にマニプレーション。

③一方手を患側側の肋骨部にコンタクトし、他方手の手指を季肋部にコンタクト。それぞれを引き離す方向に引っ張り、一番季肋部が緩む方向を探しそこでキープ。

④そのままマニプレーション。


胃の処置

①みぞおちに上方手の14指をコンタクトし、下方手の手掌をへその付近にコンタクト。

②上方手をへそ方向に軽く牽引し、ついで下方手をやや下及び左右の動きやすい方向に牽引する。そのまま35呼吸キープ。

③両手をゆっくり離す。その時に胃が正しい位置に戻る。


胸鎖乳突筋の緊張(特に片側収縮に有効)

胃、大腸熱と連動する

①緊張側と反対側の陽稜泉のマニプレーション。

②患側の曲池にコンタクトし上肢を肩関節、肘を共に90°前後で曲池が一番緩む角度に挙上し、他方手で示指をマニプレーション。

③下顎角を左右に動かし、行きやすい方の顎関節に問題がある。右から左に行きやすく左から右に行きにくい場合は左の顎関節が患側。

④左患側の場合、左の下顎から頬にかけて手掌をコンタクトし斜め右下方向に牽引する。

⑤右の下顎角に手指をコンタクトし右真横に牽引する。1020秒キープ。


腹臥位で腰方形筋が緊張している場合

大腰筋腱の緊張で、L-5PR(L)I、つまり大腰筋に引かれて椎体が下がっている状態。

左の場合、仰臥位で大腰筋腱にコンタクトして内方から外方へ引いて中焦血流テクニックを行う。大腰筋腱コンタクトは、腹直筋の奥を意識して、白線から外側に滑らせて止まるところ。


腹圧が下がりすぎて引き腰、猫背で重心が上がらない場合

患者立位。術者一方手でへそ、他方手でL3にコンタクト。患者に深呼吸をしてもらい、吸気でコンタクトを上方に引き上げ、呼気でキープ。次に中脘あたりとL1レベルにコンタクトを変えて同じ手技。さらにみぞおちとT10レベルにコンタクトを変えて同じ手技を行う。


捻挫を早く治す

内反捻挫の場合、第3腓骨筋腱が外旋しているので、第5中足骨から外果下まで腱に沿って内旋方向にマニプレーション。

外反捻挫の場合、後脛骨筋腱が外旋しているので、復溜付近を中心に内旋方向にマニプレーション。


膝窩上下の坐骨神経痛及び腓骨頭周囲の痛み

・右の場合

①大腿部を外転させる。術者右手で拳を作り梨状筋停止部(下部)を下方から上内方に圧を加える。

②膝を90°屈曲させて下肢をやや外旋させながらCCWに回旋させる。

・左の場合

①膝を90°屈曲させる。

②下方手で下肢を大きく外旋させて、上方手を右梨状筋停止部(下部)を内方に押圧してCW方向に回旋させる。


膝の水腫

足関節が底屈方向に行って大腿筋膜が下がって伸びていることが多い。

足関節を背屈して立方骨を頭方に上げながら天井方向に引く。


前頭骨の操作

アレルギーや坐骨神経痛有効

①左右の眉毛の内端付近に母指をコンタクト

②緊張側に頭部をやや回旋させて、緊張部位に圧を掛けてキープ

②左右の気の流通量が均等になるように上下で気を流す。例えば左が緊張して右が弱い場合、左から右に気を流すように上下に流す。

③患者腹臥位。坐骨先端内側の半腱半膜様筋腱付着物が緊張している側が患側。そこを14指で引っ掛けて、内側から外側へアジャスト。。