Factor-G

⑴重力補正解除

1)重力補正パターン

前腕、下腿は2本の骨で構成されている。重力負荷に対してこの二本は開く。

下腿は脛腓間が開き、腓骨は下がり脛骨は外旋し、距骨が前方にくる。

長管骨の骨梁は螺旋を描いている。つまり重力補正も螺旋が含まれる。

したがって、腓骨は下方・外旋し脛骨はさらに外旋し、大腿骨は内旋する。

筋力のない細い女性は内股が多い。力を正中に集中させて重力負荷に適応しようとするから。

重力負荷の掛かった状態

・大腿骨内旋

・腓骨下方外旋

・脛骨外旋

・踵骨内旋、足部(立方骨・中足骨)内反、距骨前方外旋。


2)圧力パターン

・水圧ー重力ー筋膜FG Category

・気圧ー熱ー筋FT Category


・水圧ー重力ー筋膜FG Category

花は水が減るとしおれるが、水をやるとピンと立つ。これは水圧が回復したから。

人間は筋膜とその下の水の層が一体化している。

赤ちゃんはどんな体勢を取っても肉離れしない。それは水分含有量が多いから。プニュプニュしている。歳をとると水分含有量が減って柔軟性が低下して、肉離れや筋違いを起こしやすい。

座って前かがみの姿勢でいると背筋が伸ばされ重力負荷に晒されて水分が移動し水分含有量が減る。


・気圧ー熱ー筋FT Category

低気圧外が低いので体内の圧力は外に向かい広がる水分移動が起こる症状が出る→FGメイン


高気圧外が高いので体内の圧力は内部に向かう熱が発生症状が出る(盲腸などの炎症性疾患が多い)→FTメイン


ストレッチ

ゴムは引っ張って離してもすぐに元に戻るが、筋膜はコラーゲンで出来ていて、コラーゲンは引っ張ると元に戻るのに時間が掛かる。したがって、運動前にストレッチをするとパフォーマンスが下がる。特に瞬発系は顕著。軽くジャンプしたり、正しく歩くことは軽度の筋収縮をもたらし準備運動に最適。


3)内臓の位置

腰痛、背部痛、首痛などに関連

例えば左の大腸にガスが溜まり熱量が多くなると腸間膜が左に引かれる。すると反対の右の腰から側腹部の膜が引かれて血流が悪くなり右腰痛を起こす。

裂孔ヘルニアで胃が上がってる場合、みぞおちが張っている。

骨盤矯正で重要なのは骨盤内臓器の位置。この位置を戻してないと骨盤は本当に安定しない。



重力補正解除テクニック

患者仰臥位。術者は脱力し意識も集中しないでボーッとしている。

⑴大腿骨をやや外旋させながら軽く持ち上げてストンッと落とす。


⑵患者の膝を屈曲して、腓骨頭を下から持ち上げて内旋させる。その動きの流れで脛骨も内旋させる。そのまま雑巾を絞るようにギュッと締めたら膝を最大屈曲してすぐに最大伸展させる。


⑶踵骨を外旋させて足部を外反させながら距骨の外旋と前方を取ってそのままやや浮かせてストンと落とす。


⑷脛腓間が緩んでいる場合は、一方手で内外果の少し上を握って締めて、他方手で足部を外反背屈してギュッギュッっと締める。


⑸さらに重力補正が進んでる場合(主に高齢者)は足背(ショパール、リスフラン)にまで及んでいる。その時は、左足の場合、まず術者の右手で足部にコンタクトして足底をを持ち上げる。左手で母趾にコンタクトし外旋から内旋方向に回す。その状態で母趾を引っ張ってアジャスト。これは外反母趾にも有効。

次に内反小趾があれば、術者の右手で小趾にコンタクトし、左手母指で足底側から立方骨にコンタクト。立方骨を押しながら小趾を外旋させて引っ張りアジャスト。


⑹産後や高齢者の下垂がある場合は、患者仰臥位で両股関節を90°屈曲して、膝を90°屈曲した膝窩に術者の膝を入れる(術者の膝の上に患者の両下肢を乗せる)。そのまま患者に両手を挙上してもらって、術者は膝を少し持ち上げて下垂を上方に向ける。そのまま子宮にコンタクトし軽くマニプレーション。


内臓下垂

⑴中焦血流テクニック

⑵腸の下垂

坐骨の内側にコンタクト。頭方に押圧して中焦血流テクニックのように下肢を揺らす。


裂孔ヘルニア(逆流性食道炎)

患者仰臥位で季肋部の緊張側にコンタクトし、同側の上肢を引きを90°で外旋して横隔膜が緩むところまで外転する。そのまま肘をやや術者側に引いて軽く揺らす。

患者坐位か立位で裂孔ヘルニアの反応ポイントT5T8(T67が多い)直側を前方に押圧して硬いかどうかをチェック。

一方手で棘突起を母指と示指で下から挟むようにコンタクトし、他方手で患者の上腕を掴み90°後方挙上しやや後方に引きながら棘突起コンタクトを上方にマニプレーション。

棘突起が回転している場合は回転側のみ、回転がなければ両方を施術する。


妊婦の腰痛

⑴患者仰臥位でお腹が偏ってる方を真ん中の方向に軽く圧を加えて中焦血流テクニック。


⑵坐位で仙腸関節を締める。左の坐骨にタオルを敷いて上半身を左に回転させて、術者は左膝にコンタクトし左足を内転させる方向で力を入れてもらう。


⑶胸椎の緊張部位を探してアジャストメント。