基礎セミナー
Factor分類
Factor分類は人間の構成要素、病気の根本原因を表す。
Factor-G
・構造的要素
筋肉、筋膜、骨関節
・水圧構造体
生体内自由水の移動
・カイロプラクティック理論
骨関節転位、仙腸関節離開
CategoryⅡ(SOT)
Factor-T
・熱力学的要素
圧力変化、内臓熱
・東洋医学理論
・CategoryⅠ
Factor-I
・高次元的要素
周波数、振動数の乱れ
・気のメカニズム
Type 分類
人間の病態を3次元方向から分類したもの。
TypeⅠ
生体が左右(横)方向のベクトル有する状態。
・仙腸関節離開
仙腸靭帯の弛緩により仙骨に対して腸骨が転位を起こす。
・力学的負荷によるもの
外傷、片側の労作
・内臓熱による
肝臓、胆のう、大腸、肺、卵巣、子宮
TypeⅡ
生体が前後方向のベクトルを有する状態
・仙腸関節の離開はそれほどない。
・内臓系
胃熱、大腸熱で腹圧が高まり前方ベクトルを有する。
TypeⅢ
生体が回転ベクトル有する状態。
・仙腸関節の離開はほとんどない。
・内臓系
腎虚により左前方回転を有する
胃熱によりやや右前方回転有する。
心臓熱により左前方回転を有する(特に上半身)
小腸熱により左前方回転を有する(特に上半身)
東洋医学的概念
気血水
東洋医学では気・血・水がそれぞれ過不足なく正常に循環している状態を健康のベースにしている。逆にこれらに不具合が生じると病気になる。
気
目には見えず、現代科学では検出されないが、実態として存在しているエネルギー。
物質の構成や生理機能の原動力の源泉。
気は全身に張り巡らされているネットワークである経絡の中を循環している。この経絡上に感受性の強い部分が点在していて、それらを経穴(ツボ)と言う。
経絡は各内臓と直結している。
血
血は現代医学の血液とほぼ同じ概念だが、それに東洋医学特有の機能を伴う。
血液の総量が足りない場合と、局所に足りない場合とがある。
主に冷え、めまい、かゆみなど発症する。
瘀血
血の循環が悪い状態。主に痛みを発症する。
水
水は現代医学のリンパ系の概念に留まらず、東洋医学特有のさまざまな概念を有する。
湿、水毒
体内に余分な水分が停滞した状態。
主にしびれ、関節痛、湿疹、めまいなどを発症する。
邪気
邪気とは生体にとって好ましくないもので、体内に発生、侵入、停滞すると不調を引き起こす。
東洋医学では、
風邪→自然の風、クーラーの風など。
寒邪→冷え
暑邪→暑さ
湿邪→湿度
燥邪→乾燥
火邪→熱
現代では家電やパソコン、スマホなどの電磁波も含まれる。
陰陽
物事は全て陰陽から成り立っている。
例えば天地は天が陽で地が陰、男女は男が陽で女が陰、他にも上下、左右、表裏、臓腑、温寒、昇降など、それぞれの陰陽がバランスされている(平衡)のが良く、バランスを欠くと病気の原因になる。
広義の意味で生体の陰陽は、陰が水の性質、陽が熱の性質を持つ。
陰(水)で粘膜や筋系に潤いを与えて機能を高め、陽(熱)が過剰にならないように適度に冷ます。
陽(熱)で体温を維持し体の活力を高め、陰(水)
で冷えやむくみが出ないように適度に温める。
虚実
虚とは必要なものが足りない状態
実とは不要なものが余った状態
例えば気虚とは気が足りない状態。胃実熱(胃熱)とは胃から発生した熱が過剰になった状態。
虚熱とは陰(水)が不足して陽(熱)が亢進した状態。熱そのものが過剰に発生したわけではなく、冷ます機能が低下して二次的に高まる。
湿と熱
邪気の中でメインとなるのが湿と熱です。
湿は筋膜、筋肉、靭帯を緩める。
熱は筋膜、筋肉を緊張させる。
湿熱は粘稠性が加わり動きにくく症状が慢性化して抜けにくい。
瘀血
血流障害。熱反応、気虚、寒によって血流が悪くなった状態。筋、筋膜は緊張しやすい。痛みを伴うことも多い。
人間が生まれながらにして備えている自然治癒力を正常化、活性化させて不調を改善させる。
ユニバーサルインテリジェンス→宇宙のエネルギー
イネイトインテリジェンス→人間に備わってる自然治癒力
サブラクセーション→病気の原因。主に骨転位(ズレ)、神経圧迫
カンパンセーション→補正
カイロプラクティックでは基本的に脊柱、骨盤がサブラクセーション(骨転位)を起こし神経圧迫する事でイネイトインテリジェンスが阻害され病気を引き起こすとしている。
SOTでは生理機能にも注目し、病気の原因を3つに分類している。
CategoryⅠ→脳脊髄液の循環障害(仙腸関節ブーツ面)、脳脊髄硬膜系の障害。機能系の問題。Factor-T
CategoryⅡ→仙腸関節体重軸受部の離開。構造系の問題。Factor-G
CategoryⅢ→軟部組織のロック。椎間板の変性。Factor-G
仙腸関節の構造と機能
仙腸関節は2つの部位から構成されていて、1つは前面のブーツ面で関節をなしている。
ここは第一次呼吸メカニズムによって硬膜が屈曲・伸展するのに伴って屈曲・伸展の動きをする。
また歩行によって8の字に動き、脳脊髄循環の原動力になっている。
もう1つは後面にある体重軸受部。
ここは骨関節面ではなく靭帯の付着部で、仙腸靭帯が仙骨と腸骨を繋いでいる。
上からの体重は腰椎4番で二分し、体重軸受部を通って股関節から下肢に抜けていく。
仙骨に対する腸骨(後上腸骨棘:PSS)の動きは主にP(後方)、I(下方)、A(前方)、S(上方)。
体重軸受部は構造的には左右同じだが、機能的には左右の違いがある。
左ASで、右はPIで緩む方向性を持つ。
逆に左PI、右ASで締まる方向性を持つ。
ただし実際に緩む(離開)には仙腸骨間靭帯の圧電位低下(緩み)を伴って初めて起こる。
臨床で注意が必要なのは、通常ASはPSSが触診上正常な右に対して上方に上がっているが、靭帯が緩むとASしながら下方へ下がってくるので、触診上PSSが下方に見える。
治療は下方を上方にあげながらASを処理していく。
また外傷(尻もちなど)では特殊な機能的動きとは関係なく、両側とも力学的にPIになることが多い。
診断
・下肢長
short leg→筋、筋膜の収縮、熱反応
long leg→筋、筋膜、靭帯の弛緩、湿反応
右short leg→肝臓熱、胆のう熱、大腸熱、子宮右屈、左卵巣瘀血、TypeⅠ(Factor-G)
右long leg→大腸湿、胆湿、心包経の詰まり(メンタル)
左short leg→胃熱、心臓熱、肺熱、子宮左屈、左卵巣瘀血、TypeⅠ(Factor-G)
左long leg→湿(水毒)、脾虚
ヒールテンドン(下腿三頭筋腱移行部)
Factor-G 体重軸受部離開、梨状筋弛緩
ヒールテンション
右→腎虚左大腰筋緊張による
左→胃熱右大胸筋収縮による
PSSの位置
右下方→TypeⅠ(F-G)、大腸湿
右上方→肝熱、大腸熱
左下方→湿(水毒)、脾虚
左上方→胃熱
梨状筋弛緩
右→大腸湿、左心包経の詰まり
左→湿(水毒)、脾虚
仙骨傾斜
傾斜側にType-I
背部
右肩甲間部緊張→肝臓熱
左肩甲間部緊張→胃熱
T4、5付近の緊張→胃実熱
T6付近の緊張→膵臓
T7、8、9付近の緊張→肝臓熱
T12胃虚熱(胃潰瘍)
足趾
第1、2中足骨間→肝臓熱
第2、3中足骨間→胃虚熱
第2、3中足骨間→胃実熱
第4、5中足骨間→胆のう熱
大腿四頭筋、大腰筋
右緊張→肝臓、大腸熱
右弛緩→大腸湿
左緊張→胃熱
左弛緩→湿、脾虚
季肋部
右緊張→肝臓熱
中央緊張→胃熱
左緊張→膵臓
前腕前面
左緊張→心包経、気の詰まり
右緊張→瘀血
大胸筋
右緊張→胃熱
左緊張→小腸熱
腹圧
上腹部圧上昇→胃熱、胃内停水
下腹部圧上昇→瘀血、筋腫
施術
①体重軸受部離開側にZテクニック
患者腹臥位。患部側の下肢を外転、外旋させながら、膝を屈曲。申脈が一番締まる角度を探してそのまま10〜20秒キープ
②肩甲骨中央部(天宗)緊張側を緩める。
術者一方手を天宗にコンタクトし、他方手で患側5指をマニプレーション。
天宗コンタクトを肓兪に変え、5指を2指に変えマニプレーション。
肓兪コンタクトを肺兪に変え、2指を母指に変えマニプレーション。
右下側臥位による左体重軸受部面圧テクニック
患者の左下肢を屈曲して術者の右下肢に乗せる。
術者上方手指で体重軸受部にコンタクト。
術者下方手で坐骨にコンタクトしてPSSをPI、IN方向に動かし、体重軸受部が一番締まる角度を探し、そこで10〜20秒キープ。
仰臥位での体重軸受部面圧テクニック
膝を屈曲して術者上方手で体重軸受部にコンタクト。下方手で坐骨にコンタクト。
下肢を開排方向に開いていきながら体重軸受部が締まる位置を探す。
そのままキープして坐骨をPSSがPI方向に行くように動かしながら圧を加える。
足趾マニプレーション
中焦血流(除熱)テクニック
患者仰臥位で患側下肢を開排して術者下方手を膝に、上方手を大腰筋にコンタクト。
大腰筋を元の位置に戻す方向にマニプレーションしながら、下肢を揺らす。
TypeⅠ(F-G)除去
患者腹臥位。術者は仙骨傾斜側に立つ。
患側下肢を外転。横から大転子にコンタクトしてアジャストメント。
両下肢を患側側に引き、下方手でS2にコンタクトして健側方向にティシュープル。
コンタクトを緩めずに上方手の小指球にコンタクトを変えてアジャスト。