テキスト
●ガスリリーステクニック
消化管内で発生したガスが神経系、循環系、ハバース管(骨内の血管通路)を障害したり、各種反射性の障害を引き起こす。ガスは全身に拡散し、どの部位においても痛みや痺れなどの症状を引き起こす。
ガスリリースはアーユルベーダのヴァータの施術に属する。
①トリドーシャ
トリ(3つの)、ドーシャ(体質・エネルギー)。
⑴ピッタ→熱体質
⑵ヴァータ→冷え体質
⑶カファ→湿体質
②ヴァータ
5つの種類がある。
⑴プラーナ・ヴァータ(praaNa)
プラーナ・ヴァータは呼吸を指していて、通常は「吸気」のことを指す。プラーナの座は、頭部にあり、知力、心臓、感覚器官、心、唾液、クシャミ、欠伸、呼吸、食物の流れなどの活動を生み出す。プラーナは、睡眠不足や過度な活動で乱れ、その結果は、不安や心配、不眠症という症状になって表れる。
⑵アパーナ・ヴァータ(apaana)
アパーナ・ヴァータは「吐気」を指すが、アーユル・ヴェーダなどでは、「下降気」と呼ぶ。アパーナの座は肛門(腸)にあり、排泄、生殖機能、生理のリズムなどを生み出すと言う。アパーナが乱れると、下半身の冷え、便秘、生理不順などを引き起こす。
⑶ヴャーナ・ヴァータ(vyaana)
ヴャーナ・ヴァータは、巡回気と言う。ヴャーナの座は心臓であり、血液の流れ、心臓のリズム、発汗、触覚などを生み出す。
⑷ウダーナ・ヴァータ(udaana)
ウダーナ・ヴァータは、「上昇気」。ウダーナには「上に向かう息」などの意味がある。ウダーナの座は胸であり、発声、記憶、思考活動などを生み出す。
⑸サマーナ・ヴァータ(samaana)
サマーナ・ヴァータは、「等気」。サマーナには「同じ、同等の、等しい」などの意味がある。サマーナの座は、消化器官にあり、消化管を通じて血液の流れを生み出す。
ガスリリースは主にウダーナ、アパーナに作用しながら全身に及ぶ。