治療家に必要な無と感謝

2017.2.17 名古屋


山内先生お話し


・治療家のあり方


山内さんがどうしても治したい人が治らなかったことがある。一番力を発揮すべき時に発揮できなかったので「だったらこの能力はもうどうでもいい」と思い、それ以来結果にこだわらなくなった。やるだけのことはやるが、その結果治ろうが治るまいがどうでも良いと。

そう思うようになってから、リラックス=力を緩めることをより覚えた。それによって自分の力をより発揮できるようになった。

それまでよりも効果が上がるようになり、仮に治らなくてもイライラしなくなった。治したい人だけ治せばいいと言う気持ちが強くなった。

逆にそれほど治したいと思わない人が治ってもそれほど嬉しくない。

80過ぎの婆さんの乳がんを治した時もそれほど嬉しくなかった。

こう言う思いを持っても決して悪いことではないし、いわゆる商売としてマイナスになるわけでもない。

なぜこう言う気持ちになるかと言うと、それは天職ではないから。天職とはやっていて楽しく、なおかつ満足できるお金が稼げること。お金を稼げても楽しくなかったり、楽しいけどお金が稼げなかったりするのは天職とは言えない。

山内さんほどの能力があるとみんなが天職だと思うけれど、山内さんにとってはそうではない。天職につける人は少ない。


ご自身の経験から真の意味でリラックスすることを覚えられたが、真のリラックスとは「リラックス=0」になること。0は無と違う。無は何もないが0は何かある。あるんだけど無い。雲のようなもの。あそこにあるのはわかるけど掴めない。

感覚を言葉で表現することは困難で、あえて言うならただ静か。

海で言うとべた凪。風も波もなくただ静か。

臨床ではこちらがリラックスすると患者さんもリラックス。患者さんは完全に寝てるけど、音は聞こえてる。

術者は寝る寸前がベストで寝てはいけない。


集中とリラックス。ポイントを見つけるまでは集中し、本線に入ったらリラックス(0)。

イチローや一流ゴルファーなどはボールを捉えるまでは集中し、捉える瞬間は力が抜けリラックスしている。


山内さんは一時期、問診するだけで触らず治ることが連続し「俺の能力は凄い」と思ったことがある 2週間後もう一度その波が来た時、「いや、これは自分の能力じゃ無い。何か(神?)に使われているんだ。或いは患者さんが治るタイミングで診る(予約を入れる)能力が高いだけで自分の力で治しているんじゃない」と思うようになり、謙虚になった。天狗になったのはその二週間だけ。


山内さんは寝る前にその日1日会った人全ての名前(ご家族も)を挙げて感謝の言葉を掛けるそうです。

例えばセミナーで40名参加された時も40名全ての人に感謝の言葉を掛けるそうです。思い上がらず常に謙虚さを忘れないためだそうです。

そして何よりも感謝が重要で、このような感謝の念を表していれば、人生おかしくなることはほとんどないそうです。